市長所信表明

更新日:2024年12月02日

市長所信表明(令和6年12月2日)

この度の市長選挙により、多くの市民の皆様から、温かく、そして力強いご支援を賜り、第6代光市長に就任しました。
はじめに、4期16年にわたって市政の舵取りを担ってこられた市川熙前市長に心から敬意と感謝を申し上げます。
私は、市川前市長から、今日まで脈々と引き継がれてきた「このまちに想いを寄せた先人の志」と、悠久の時を超えて守り育ててこられた「美しい自然と輝かしい歴史をもつ希望のまち 光市」を託されました。
市民の皆様とともにその発展に尽くすことができる「市長」という職に就き、大変光栄であるとともに、改めてこの場に立ちますと、4万8,000人の市民の皆様のために働くという市長に課せられた使命と、私自身が生まれ育った大好きなふるさとの舵取り役を担う重責に身の引き締まる思いです。
この度の選挙戦を通じて市内隅々を歩く中で、多くの市民の皆様、地域や事業者の皆様から「光市政を更に前に進めて欲しい」との期待の声をお聞きすると同時に、市政に対する様々なご意見を数多くいただきました。
私は、こうした市民の皆様の想いをしっかりと受け止め、市民の皆様が、まちへの愛着に包まれながら、住み慣れたふるさとで安全・安心な日常生活を営むことができるよう、また、目標とする「みんなが大好きになるまち 光」が実現できるよう、全身全霊で市政運営に邁進してまいりますので、議員各位並びに市民の皆様方からの絶大なるご支援とご協力を心からお願い申し上げます。
さて、現在、人口減少や少子高齢化の進行をはじめ、自然災害の頻発化・激甚化、デジタル社会の進展、厳しさを増す地方財政など、地方都市を取り巻く環境は、めまぐるしく変容し、行政課題はますます多様化しています。
私に与えて頂いたこれからの4年間、こうした多くの課題にしっかりと向き合うとともに、市民の皆様の生命・財産を守り、地域の経済の発展にしっかりと取り組みます。
また、私はこれまで、一人の市民として「島田小学校におけるおやじの会とPTAの活動」や「機動隊に所属した光市消防団活動」、また、光市の職員として「社団法人光青年会議所と山口県市町課への派遣」や「生涯学習課時代の様々な社会教育団体や公民館活動との関わり」などを通じて、市民の皆様をはじめ、県内外の様々な方々とお出会いし、多くの「ご縁」の一つひとつに支えられてきました。
私は、今まで紡いできたこうした人とのご縁を大切にするとともに、市民の皆様とともにまちづくりを力強く進めるための力となる「すぐ見る、よく聴く、とことん話す」という私のモットーを全ての職員と共有し、市民の皆様をはじめ、議員各位、事業者の皆様など、本市に関わる多くの皆様と信頼を築きながら、「継承」「発展」「そして未来へ」という3つのプロセスにより、「みんなが大好きになるまち 光」の実現を図ります。
まず1つめのプロセスは、「継承」です。
本市は、現在、「第3次光市総合計画」に掲げた目指す姿「ゆたかな社会 ~人が輝き やさしさつながる 幸せ創造都市 ひかり~」の実現に向けて、災害に強いまちの構築、地域の絆再生、光駅などの公共交通の確保、地域産業活性化、教育・子育て応援など、特に重点的に取り組むべき政策8項目を「つながる光・未来戦略プロジェクト」として位置づけ、光駅南北自由通路の整備やバリアフリー化、施設一体型小中一貫ひかり学園構想の推進、防災指令拠点施設を中心とした万全の防災・避難体制、2つの市立病院を中心とした良質な地域医療体制の構築など、多くの施策を着実に進めています。
私自身も策定に関わったこの計画は、申し上げるまでもなく、本市が市民の皆様と交わした約束です。
私は、今後のまちづくりの出発点として、まず、現在折り返しを迎えているこの総合計画の理念を「継承」し、総仕上げに向けしっかり取り組みます。
とりわけ、本市の玄関口である光駅のバリアフリー化は、ご高齢の方から若い世代の方まで、幅広い年代の多くの皆様から強い期待と早期の整備を求める声が寄せられるなど、今後のまちづくりの最重要課題です。
現在、私の考えも組み込みながら、鋭意、光駅拠点整備基本計画の見直しを進めており、鉄道事業者との協議・調整を整え、年度内に新たな計画案をお示しする考えです。
また、懸案の事業費は、整備規模や手法などを精査し、市財政への影響を抑制するともに、計画の見直しについて議会のご議決をいただいた後は、南北自由通路やエレベーターなどの整備を着実に進めたいと考えています。
次に2つめのプロセスは、「発展」です。
私のふるさと光市への熱き想いの一つひとつを紡ぎ合わせ、市民の皆様にお約束した「5つの公約」。
今後、これら公約の具現化に向けて、財源確保の見通しなども踏まえつつ、政策の優先順位をしっかりと見定めた上で、ときに柔軟に、ときに大胆に事業を展開し、このまちの更なる「発展」にしっかりと取り組みます。
公約の1点目は「市民のいのちと暮らしを守る」です。
自然災害が頻発化・激甚化する傾向にある中、市民の皆様の安全・安心を確保するため、これまでの被災の教訓をしっかりと活かす一方で、これまでの常識にとらわれることなく、より強い危機感をもって災害に備えていく必要があります。
このため、防災指令拠点施設に導入した最先端の「総合防災情報システム」により、迅速かつ正確な避難情報を提供するとともに、光警察署、光地区消防組合及び消防団と連携を密にし、発災時における初動体制及び避難体制の確保や避難所環境などの充実に取り組みます。
また、国や県との連携のもと、島田川の河川改修や浚渫をはじめ、中小河川の浚渫を継続実施するなど、豪雨災害に強いまちの構築を進めます。
さらに、2つの市立病院による良質な医療サービスの提供はもとより、感染症等に対応可能な病床確保や地域の医療機関等との連携などにより、高齢者をはじめとした市民の皆様の健康と長寿を支援します。
公約の2点目は「子どもたちの成長と学びを支える」です。
本市のまちづくりの根底を流れる普遍の理念「おっぱい都市宣言」にふさわしいまちづくりを進めるため、未来を担う「宝」である子どもたちの健やかな成長と質の高い学びの場をしっかりと確保していく必要があります。
このため、18歳の年度末までの全ての子どもの通院と入院に係る費用の助成を継続実施するとともに、こども家庭センターを中心に、妊娠・出産・子育てが幅広く相談・支援できる体制を強化するなど、全ての子育て家庭が安心して子どもを産み育てられる環境を整備します。
また、子どもたちがまちへの誇りや愛着を深め、これまで以上に光市を大好きになってもらえる学校環境となるよう、施設一体型小中一貫ひかり学園の整備やコミュニティ・スクールの取組を着実に進めます。
とりわけ、「浅江中学校の光丘高校跡地への移転」と「施設一体型小中一貫やまと学園の整備」については、生徒や保護者、地域の皆様などへの丁寧な説明のもと、しっかりと整備を進めます。
学校給食費の無償化は、政策の優先順位も十分に踏まえながら、対象や実施手法、財源など、様々な角度から実現に向けた検討を進めます。
公約の3点目は「誰にも快適で機能的なまちをつくる」です。
市民の皆様が暮らしやすいと実感し、また、本市に新たな人の往来や交流を創出するためには、魅力ある都市空間や道路網の整備が必要です。
このため、多くの市民の皆様からご要望を頂いている光駅の南北自由通路の整備とバリアフリー化の実現を急ぐとともに、高齢者の買い物や通院など、市民生活を支える重要なインフラとして、効率的で便利な公共交通ネットワークを構築します。
また、瀬戸風線の早期完成をはじめ、県道束荷一ノ瀬線などの新産業団地周辺道路の整備や、光下松間道路の具現化に向けて、これまで以上に県との緊密な連携を図ります。
さらに、鳥獣被害を軽減するため、民間団体の協力を得ながら、官民連携による有害鳥獣捕獲対策の強化を進めます。
公約の4点目は「明日への活力と賑わいを生み出す」です。
市民の皆様が明日への活力に満たされた、賑わいのあるまちづくりには、安心して働くことが出来る雇用の場の確保と産業の活性化が必要です。
このため、光駅周辺や虹ケ浜海岸、岩田駅前、みたらい湾一帯など、それぞれの地域固有のポテンシャルが最大限に発揮されるよう、民間活力の導入を想定した新たな賑わいの場づくりに取り組みます。
さらに、県との連携を密にして、新産業団地の着実な整備と企業誘致に向けたトップセールスに取り組むとともに、中小企業のDX化や事業承継、社員の研修活動への助成を行うなど、生産性向上や人材確保を支援します。
また、本市は、住み良い住環境の基盤となる温暖な気候と豊かな自然環境、島田川の伏流水がもたらすおいしい水道水や充実した子育て・教育環境など、多くの魅力を有しています。
こうした固有の魅力や強みを生かした「本市ならでは」のシティプロモーション活動を積極的に展開し、多様な交流の促進と関係人口の創出・拡大に取り組みます。
公約の5点目は「市民本位で持続可能な行政経営を進める」です。
将来にわたり、豊かに暮らし続けられる持続可能なまちを創り上げるには、市民の皆様や地域、事業者等との信頼関係によって、まち全体がより強固につながる「オールひかり」によるまちづくりが必要です。
私のモットーである「すぐ見る、よく聴く、とことん話す」という考えを市民の皆様にわかりやすく実感していただくため、直接市民の皆様のもとへ私から出向く場を設けるなど、皆様との対話により、まちづくりへの想いや課題を共有します。
また、重要課題の一つである市役所本庁舎の建替えは、立地適正化計画等の各種計画との整合も図りながら、財源の問題も含め、今後の進め方を早急に整理するとともに、老朽化した他の公共施設の総量を縮小しながらもサービスの質の拡充を図る「縮充」の考え方も取り入れながら、再編や複合化などを検討します。
窓口における各種申請時の手間や負担、待ち時間を縮減するため、「書かない市役所窓口」の導入にも速やかに取り組むとともに、小中学校の跡地等の有効活用、遊休財産の売却などを着実に進め、「健全財政」と「市民満足度の向上」、この二つの両立を目指します。
以上が、私の公約であり、この公約を一つ一つ形にしていくことこそ、市政をさらなる高みへと押し上げていく、すなわち「発展」のプロセスに他ならないと思っています。
最後に、3つめのプロセスは、「そして未来へ」です。
本市の未来を展望する上で、今、一番の課題は人口減少対策です。
人口減少は、地方財政やまちづくりに大きな影響を及ぼし、人口減少とそれに伴う経済・産業活動の縮小により税収入等が減少する一方で、高齢化の進行により社会保障費の増加が見込まれます。
また、人口減少によるまちの賑わいの衰退や地域活力の担い手不足の進行など、まちづくりのあらゆる面で深刻な影響が生じることとなります。
現在、全国の多くの自治体が人口減少問題に直面していますが、「これをすれば人口減少問題の解決につながる」といった速効性のある政策は、そうあるものではなく、住むところ・働くところ・子育てなど、複雑に絡み合う様々な政策を総合的に、かつ効果的・効率的に進めていくことが非常に重要となります。
すなわち、一面的ではなくトータルで見たとき、「光って良いよね」「やっぱり光が好き」「光で暮らして幸せだなあ」と思ってもらえるまち、子どもから高齢者まで世代を超えて愛されるまち、つまり、私が理想とする「みんなが大好きになるまち 光」を目指したまちづくりに全力で向きあうことこそが、人口問題解決の根幹であると確信しています。
私は、「まちへの愛着」を出発点に、公約に掲げる一つ一つの思いを着実に進め、誰もが住みたいと思えるまち、住み続けたいと思えるまちを目指して、あらゆる政策を総動員し、人口減少下においても、将来にわたって持続可能なまちづくりを「オールひかり」で着実に未来へと歩みを進めていく。このことを固く誓います。

「志定まれば、気盛んなり」
これは郷土の偉人 吉田松陰先生の言葉で「志が決まれば、自然と力や意欲が生じるもの」という意味であり、市長選出馬を決意してから今日に至るまで、私の行動の原動力となる大切な言葉です。
私の志である「大好きなふるさと、光市。この唯一無二のまちを、みなさんにもっと好きになってほしい。」という想いを胸に、市民の皆様の声をよく聴き、それを市政に反映させる、私は、そういう市政運営を目指していく考えです。
初志を忘れず、光輝く光市の未来のため、市民の皆様の笑顔や幸せのために働きたいその一心でしっかりと仕事をしてまいります。
われわれ地方自治体を取り巻く環境は、今後ますます不透明感や不確実性が高まり、厳しさが増していきます。私たちは、その流れに飲み込まれることなく、10年先、20年先の未来をしっかりと見据え、「今だけが良ければ良いのではない、未来だけが良ければ良いのでもない、双方にとっての最適解は何か」といったことも十分に考えつつ、次のステージへと進まなければなりません。
これは、私一人の力で成し得るものではなく、何よりも議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力が必要です。
とりわけ、二元代表制の一翼を担われる市議会議員の皆様とは、相互の信頼関係のもと、建設的で前向きな議論を通じて、ともに市政を前に進めていけるよう、今後も力強いご支援を賜りますようお願いし、私の所信とします。

この記事に関するお問い合わせ先

政策企画部 秘書室
住所:〒743-8501 光市中央六丁目1番1号
電話番号:0833-72-1423