市長所信表明

更新日:2020年12月14日

市長所信表明(令和2年12月2日)

この度の市長選挙により、多くの皆様から心温まるご支援をいただき、第5代光市長に就任いたしました。

選挙戦を通じて、多くの激励をいただいたほか、市政に対する願いやご意見もいただきました。こうした市民の思いをしっかりと受け止め、立ち止まることなく歩みを進めることで、市民が心から幸せを感じられる理想の将来像「ゆたかな社会」の実現に全力をささげる覚悟であります。議員並びに市民の皆様方からの絶大なるお力添えを心からお願い申し上げます。

さて、私が4たび、市長の務めを果たす決断に至ったのは、3期目の任期中に起こった3つの出来事がその背景にあります。

一つ目は、平成30年7月豪雨による被災、二つ目は、厚生労働省から名指しされた公立病院の再編統合問題、三つ目は、今なお深刻な影響下にある新型コロナウイルス感染症の発生でありました。

この3つの出来事は、私たち「光市」が将来にわたり、安定して行政運営を執り行いながら、市民が安心して幸せに暮らし続けられる社会に向かうプロセスへの「挑戦状」ではないかと考えるわけであります。

私の3期12年にわたる市政運営では、「対話、調和、人の輪」をもって多くの課題に誠実に向き合いながら、「ゆたかな社会」を目指す「礎(いしずえ)」を築きあげるとともに。「やさしさ」の架け橋をかけるために、政策を掲げ、多くの施策を実行し、その成果を生み出してまいりました。

しかしながら、私たちが理想の将来像を目指して歩みを進めてきた道の先に、今、高く大きな「ハードル」が突如として現れ、その実現を阻もうとしております。この障壁を乗り越えることなく、「ゆたかな社会」へたどり着くことはできません。

こうした未曽有の困難に対して、市民の皆様と一緒にこの高いハードルを越えていきたい。そのためには、私の3期12年の経験は必ず役に立つと考え、皆様の先頭に立つ決意をしたところであります。

私に与えていただいた4年間は、

「災害に強いまちを創る」

「地域医療を守る」

「新型コロナウイルス対策の展開」

この3つの課題に正面から正々堂々と立ち向かうとともに、目まぐるしく変化する時代の中で生まれる様々な問題に対して、粉骨砕身の覚悟をもって取り組んでまいります。

さて、私が今回の選挙で、市民の皆様に5つのテーマ、36項目にわたってお示しした「公約」については、現在、策定を進めている「第3次光市総合計画」の中に、市の施策として位置づけ、実現に向けて取り組んでまいる所存であります。

一方、国においては、感染症への対応や、新たな暮らしのスタイルの確立に向けた「新しい生活様式の実現」に向け、デジタル技術の力を活用する動きが加速し、今後は、行政手続のオンライン化も推進されるなど、社会変革の波はいやおうなく押し寄せてくることが想定されます。こうした中でも、市民と行政との絆は大切であることは言うまでもありませんし、決して薄れてはならないものであります。

そのため、私は、時代が大きく変わる中では、特に、市政の情報発信が重要であり、市民の皆様にとって必要な情報を適切に発信していく必要があると考えています。さらに、情報が一方通行にならないよう、市民の皆様の意見をしっかり聴く「双方向」のやり取りが不可欠であり、市職員とも意思疎通をしっかり図りながら、市政に反映できる体制を築いてまいる所存であります。

また、混とんとする社会情勢の中であっても、新たに生じる諸課題に対して、適切に対応することができる「持続可能なまち」を創り上げるためには、まちづくりの根幹となる健全な行財政基盤を確立することが最も重要であると考えています。

そこで、これまで取り組んできた行政改革大綱を進化させた「行財政構造改革推進プラン」を策定し、市民参画の推進や、適切な役割分担による連携と協働のまちづくりを進めるとともに、各種施策に取り組むことができる財源の安定化を図り、人口減少や新型コロナウイルスの影響で、今後の社会の動向や税収見通しが不透明な中でも、市民が安心して暮らすことができるまちを創り上げてまいります。

私は、こうして創り出す未来のわがまちの姿について、5つのターゲットとなる「理想の姿」を公約とともにお示ししました。これらは、これまでに、議員の皆様をはじめ市民の思いに寄り添いながら進めてきた様々な政策の軌跡の延長線上にあり、「ゆたかな社会」という大きな「夢」の実現に向けた具体的なビジョンであります。

そこで、夢のビジョンを実現するため、歩みを進める4年間の市政運営に対する私の決意を、5つの「理想の姿」に沿って申し上げたいと思います。

まず一つ目は「生活に安全と安心を」であります。

平成30年7月豪雨では、多くの方の財産をはじめ、道路や農地などに被害がありましたが、何より市民の暮らしの「安心」が失われたことは、鮮明に私の脳裏に焼き付いています。

私は、この失われた「安心」を取り戻し、あらゆる災害から市民を守るため、災害発生時における迅速な初動対応や災害対応の継続性を確保するとともに、正確な情報を素早く市民に提供する「防災指令拠点施設」を早急に整備いたします。さらには、避難に対する支援や避難所環境の整備により、災害に強いまちを創ります。

また、10月に公表された厚生労働白書によると、国民の平均寿命は、20年後の2040年までに約2年延びると予測されており、男性の約4割は90歳まで、女性の約2割は100歳まで生きる、まさに「人生100年時代」が到来しようとしています。こうした長い人生の中で、ライフステージに応じた健康寿命の延伸の取組みや、いざという時の地域医療体制と地域包括ケア支援体制の充実を図ります。

なお、公立病院の再編・統合問題については、あらゆるチャンネルを通じて撤回を求め、地域医療を守ってまいります。

二つ目は「未来に生きる力を」であります。

本市のまちづくりの根底にある、普遍の理念「おっぱい都市宣言」は、『真に生きる力を持つ、心豊かでたくましい若者を育て、(中略)その若者が子育てを楽しみながら、このまちに住み、まちとともに輝くことを夢みて』宣言したものであります。こうした、本市の未来を担う「宝」を地域ぐるみで育て上げていくために、コミュニティ・スクールをさらに深化させ、小中一貫教育の推進と学校のあり方の検討を引き続き実施します。また、時代が大きく変化する中で、我が国が目指す未来社会においては、ICT(情報通信技術)とその活用が日常的に必要となります。こうした社会変化の中で生き抜く力を育むため、GIGAスクール構想や英語教育の推進に取り組んでまいります。

さらに、人口減少の要因でもある少子化の進行が進む中で、安心して子どもを産み育てられる環境を整備するため、相談支援体制の充実や子ども医療費助成制度、障害のある子どもへの配慮など、子育て家庭への支援を進めてまいります。

三つ目は「まちに賑わいと誇りを」であります。

本市の玄関口であり、交通結節点でもある光駅は、駅舎を含む南北自由通路等のバリアフリー化が課題であり、多くの市民からも切実な声を伺ってまいりました。こうした課題を解消するとともに、交流の場として人々が行き交い、つどい、虹ケ浜海岸とのつながりを感じられる空間を実現する「光駅拠点整備」を着実に進めてまいります。

さらに、岩田駅周辺地区のコンパクトなまちづくりを引き続き推進してまいるほか、地域公共交通やコミュニティ交通の整備を早急に検討してまいります。

新型コロナウイルス感染症に関しては、感染拡大を防止するため、県や医師会との連携・協力のもと、市地域外来・検査センターにより検査体制に万全を期すとともに、喫緊の課題でもある市内経済の復興に全力を尽くします。

また、地方創生に向けて、光のまちの魅力を活かした賑わいの創出や、創業チャレンジへの支援に取り組み、産業の活性化を図ります。

四つ目は「コミュニティに市民の力を」であります。

本市は、豊かな自然環境と都市が調和し、穏やかでやさしい人が暮らす人情あふれるまちで、「真に住みよいまち」であると、私を含め多くの市民が実感しております。こうした実感の背景にある市民力や地域力を活かし、協働による「地域自治」をさらに進めるため、地域の主体的な取組みを支援することで、「住み続けたいと思えるまち」を目指すとともに、新型コロナウイルスによって切り裂かれてしまった地域の「絆」の回復に最大限取り組んでまいります。

なお、地域活動の要である「コミュニティセンター」については、豪雨被害にあった周防、三島地域の方との意見交換を踏まえ、整備のあり方について検討を進めてまいります。

また、これまで以上に本市の魅力を積極的に発信するシティプロモーションの展開や、移住・定住の促進に向けた取組み、結婚や定住を希望する人への支援により、「住んでみたいと思えるまち」の実現を目指してまいります。

最後に、五つ目は「いつまでも持続可能なまちを」であります。

将来にわたって持続的、永続的に安定して市政を運営するためには、健全な行財政基盤が不可欠であることは言うまでもありません。そのため、先ほども申し上げました「行財政構造改革推進プラン」を策定するとともに、財源の確保や事業の効率化による効果的な財政運営を推進してまいります。

また、地方行政を取り巻く環境が目まぐるしく移り変わる中で、将来を展望した政策を適切かつ迅速に展開していくためには、市職員の能力開発や女性活躍の推進など、人事管理のさらなる充実を進めていく必要があります。増え続けていく行政需要に対して、人工知能などを活用した定型事務作業の自動化・効率化を検討する一方で、複雑化する行政需要に対しては、専門的な能力を有する民間人材の登用や業務のアウトソーシングなどを進めることにより、市民サービスの維持・向上に不断の努力を重ねてまいります。

以上、今後の市政運営に対する私の決意の一端を申し上げましたが、我が郷土の偉人である初代内閣総理大臣伊藤博文公が、若かりし頃に松下村塾で吉田松陰に師事していたことはご承知のとおりです。松陰先生は教育者であったため、多くのことばや教えを残しております。

「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功
なし。故に、夢なき者に成功なし。」

夢を持つことの大切さ、そして、夢を実現するために何が必要かを説いた松陰先生の教えを胸に刻み、伊藤公は初代内閣総理大臣に就任し、大日本帝国憲法の発布の中心を担い、立憲政治による我が国の形を創り上げたのではないでしょうか。

令和の時代と伊藤公が駆け抜けた激動の時代とを一概に比較することはできませんが、いずれも混迷の時代であるということは間違いありません。私は、そうした中で、「ゆたかな社会」という夢を持ち、市民とともに描く未来の姿に向かって進むことこそ、持続可能なまちを築き上げる原点であると確信しております。

議会や市民の皆様方と一体となって「前へ前へ」歩みを進めてまいりますので、力強いご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げ、私の所信といたします。

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