○光市文化財保護条例
平成16年10月4日
条例第85号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市指定文化財(第4条―第13条)
第3章 文化財審議会(第14条―第18条)
第4章 雑則(第19条)
第5章 罰則(第20条・第21条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第98条第2項の規定に基づき、法又は山口県文化財保護条例(昭和40年山口県条例第10号)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、本市の区域内に存するもののうち、重要なものを指定して、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化的向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で、本市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)及び考古資料その他学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で本市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で本市の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝塚、古墳、城跡旧宅その他の遺跡で本市にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で、本市にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で、本市にとって学術上価値が高いもの(以下「記念物」という。)
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第3条 光市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 市指定文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、本市の区域内に存する文化財(国及び山口県の指定文化財を除く。)のうち重要なものを光市文化財審議会(以下「審議会」という。)の審議を経て光市文化財(以下「市指定文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ当該文化財(無形文化財及び無形の民俗文化財を除く。)の所有者及び権原に基づく占有者(所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合を除く。)の同意を得なければならない。
3 教育委員会は、無形文化財及び無形の民俗文化財を指定するに当たっては、当該の無形文化財及び無形の民俗文化財の保持者を認定しなければならない。
4 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても市指定の無形文化財及び無形の民俗文化財の保持者として認定するに足りる者があると認めるときは、その者を保持者として追加認定することができる。
(告示及び通知並びに指定書等の交付)
第5条 教育委員会は、前条第1項の規定による指定をしたときは、その旨を告示するとともに当該文化財の所有者又は占有者若しくは保持者(以下「所有者等」という。)に通知し、指定書又は認定書を交付しなければならない。
(解除)
第6条 教育委員会は、市指定文化財が市指定文化財としての価値を失った場合その他特殊の理由があるときは、当該市指定文化財の指定を解除することができる。
2 教育委員会は、第4条第3項の規定により認定された保持者が心身の故障その他の理由により保持者として適当でなくなったと認められるときは、その認定を解除することができる。
3 市指定文化財が国及び県の指定文化財となったときは、その市指定文化財の指定は、解除されたものとする。
(管理方法の助言又は勧告及び管理責任者)
第7条 教育委員会は、市指定文化財の所有者等に対し当該市指定文化財の管理保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
2 市指定文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、適当な者を専ら自己に代わり当該市指定文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 市指定文化財の所有者等は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも、同様とする。
4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。
(届出事項)
第8条 市指定文化財の所有者等(管理責任者がある場合はその者、保持者が死亡した場合はその相続人)は、次に掲げる場合には、指定書又は認定書を添えて、速やかにその旨を教育委員会へ届け出なければならない。
(1) 市指定文化財の所有者等が変更したとき。
(2) 市指定文化財の所有者等がその氏名、名称若しくは住所を変更し、又は死亡したとき。
(3) 市指定文化財の全部又は一部を滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗難にあったとき。
(4) 市指定文化財の所在の場所を変更しようとするとき(一時的な所在の場所の変更を除く。)。
(5) 市指定に係る記念物の指定地域内の土地について、土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき。
(管理及び修理の補助)
第9条 市長は、市指定文化財の所有者等又は管理責任者が当該指定文化財の管理保存のために要する経費について助成する必要があると認めるときは、当該所有者等又は管理責任者に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の規定により、補助金を交付する場合には教育委員会は、当該所有者等又は管理責任者に対して管理、保存又は修理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、保存又は修理について指揮監督することができる。
(現状変更の制限)
第10条 市指定文化財の所有者等又は管理責任者は、市指定文化財の現状を変更しようとするとき、又は保存若しくは保護に影響を及ぼす行為等をしようとするときは、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。
(公開)
第11条 教育委員会は、市指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し一定期間を限って教育委員会が行う公開の用に供するため、当該市指定文化財を出品し、又はこれを直接公開することを勧告することができる。
2 前項の規定による勧告に基づき出品し、又は公開したことに起因して市指定文化財が滅失し、又はき損したときは、市は、所有者等又は管理責任者に対し通常生ずべき損害を補償する。ただし、所有者等又は管理責任者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。
(報告及び調査)
第12条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し当該市指定文化財の現状又は管理若しくは環境保全の状況等について報告を求めることができる。
2 教育委員会は、必要があると認めるときは、所有者等又は管理責任者の同意を得て調査を行うことができる。
(標識等の設置)
第13条 教育委員会は、市指定文化財の指定をした場合は、当該市指定文化財の管理に関し必要に応じて標識、説明板、境界標、囲さくその他の施設を設置することができる。
第3章 文化財審議会
(設置)
第14条 教育委員会の諮問機関として審議会を置く。
(任務)
第15条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて文化財の保存及び活用に関し専門的事項及び技術的事項を審議し、並びにこれらの事項に関し必要と認める事項を教育委員会に建議することができる。
(組織)
第16条 審議会は、委員12人以内で組織する。
2 委員は、学識経験を有する者のうちから教育委員会が任命する。
3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によって定める。
5 会長は、審議会の会務を総理し、審議会を代表する。
6 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第17条 審議会の会議は、会長が招集する。
2 審議会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
3 審議会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(庶務)
第18条 審議会の庶務は、教育委員会事務局において処理する。
第4章 雑則
(委任)
第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
第5章 罰則
(罰金等)
第20条 市指定に係る有形文化財又は有形の民俗文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者及び市指定に係る記念物の現状を変更し、その保存に影響を及ぼす行為等をしてこれを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成16年10月4日から施行する。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用は、なお従前の例による。
(任期の特例)
4 第16条第3項の規定にかかわらず、最初の委員の任期は、平成18年3月31日までとする。